LAMPエンジニアってこういうもんでしょ

こういうもんでしょって話をつらつらと

スタートアップベンチャーはスーパーエンジニアを求めるけどエンジニア界隈と起業家界隈で想像しているスーパーエンジニアの定義が違う件

転職したり転職したりで忙しかったですがようやく開発に集中出来る環境になりつつあります。
色々な周囲の状況があってスタートアップベンチャーとして
いわゆる「ひとりめエンジニア」を探している起業家の方と接する機会が多かったです。
その中でエンジニアでない起業家の方がはまりがちなエンジニア探しの勘違いが見え隠れしたので
メモ程度に書いておこうかなと思い至ったわけです。


「ひとりで何でもできるエンジニア」は存在しないと思った方が良い

起業家の方が知らない側面として
現在バリバリ活躍しているエンジニアのほとんどが得意領域を持っていて
それ以外の分野については出来る人であっても「平均点以上」ぐらいの活躍しか出来ないということです。
そして優秀なエンジニアの方はそのことをよくわかっています。
たまに化け物みたいな化け物がいて物理からインフラからアプリケーションからUI/UX
ネイティブアプリ開発からwebマーケティングに資産管理まで全部出来ちゃう人もいますが
その人を望む事は「年収1000万の人と結婚したい女」コピペ並みの高望みだと思っておいた方が精神衛生上よろしいかなと。


「何でもできるエンジニア」ってどんなイメージ?

エンジニアは専門職なのでエンジニアではない人にとってはスキルがブラックボックスになってしまいがちです。
エンジニアの中にもそれぞれのスキルセットによって得意分野があるのをまず理解しなくてはなりません。
感覚的には陸上競技に近いかなと思います。
砲丸を投げている人が槍も遠くまで投げられるかと言われればやっぱりそれ用に練習しなくてはいけませんし
短距離の専門の人は槍投げの仕方から勉強して練習してってなってしまうのは容易に想像できます。
たまに十種競技で優秀な成績をおさめてしまう化け物のような化け物もいますが
絶対数が極端に少ないのは理解できるかと思います。
エンジニアも物理に強い人からネットワークの人、ミドルが好きな人、ソフトウェアの人
もっと言えば車の人も飛行機の人もwebの人もみんなエンジニアです。
「エンジニアなら何でも作れるよね!」っていうのは
「陸上選手なら100mなんて10秒台で走れるよね!」って言っているようなもんです。
マラソン選手にそんな事言ったら酷ですよね?
走れる人もいるんでしょうけど・・・。


じゃあスタートアップベンチャーってどんな人を雇うべきなの?

これは超簡単で「各分野に知見があって特化した分野のあるエンジニア」です。
経営者がエンジニアでないならエンジニアを束ねるエンジニアを雇う必要がある。
ただそれだけです。
ひとりで全部をやってもらうのは長期的には無理ですが
短期のスタートアップフェーズであれば逆にやってもらわなければなりません。
得手不得手はあるでしょうが知見があれば時間がかかっても調べながらでも
「とりあえず作る」は実現できるでしょう。
逆にとりあえず作れる、というエンジニアが最初はとても重要になります。
そしてそのエンジニアとよく話し合った上でエンジニア組織を作り上げていかなくてはなりません。
優秀なエンジニアは例に漏れずみんな勉強の虫なので
エンジニアリングだけでなく組織づくりや経営についても求めれば応えてくれると思います。


雇ったエンジニアには長く勤めて欲しいんだけどエンジニアって辞めていくんでしょ?

もちろんです(笑)
というのは半分冗談で
先にも言ったようにエンジニアは勉強の虫なので
成長がある環境と張り合いのある環境に居続ける事が出来ればそうそう辞めていかなと考えています。
ただシステムは開発をすれば守らなければならず
年次の長いエンジニアは気が付けば守り神のようになり
みんなのご意見番としてミーティングに頻繁に顔を出し
書かれたソースのレビューをし
新しい開発のオリエンをし
全然開発をする機会も成長の機会も奪われまくりがちなんですよね。
勝手知ったるシステムを眺め続けミーティングをこなし続け
どこにも成長も刺激も無い
と思って辞めていくエンジニアが非常に多いと感じます。
しかしそういうエンジニアがいないとシステム開発が安定しないのも事実です。
いくつか解決方法は考えられますがそれはまた別の話なので別の機会に書いていきます。


それでも一人で何でも出来るスーパーエンジニアが欲しいと思う起業家の方は
とりあえず百獣の王が興味を持ってくれる企画かどうかを精査してみて下さい。
正直優秀な一人目のエンジニアを採用するのは投資家に投資を受けるよりもずっと難しいと思います。